眼科OPHTHALMOLOGY

CHILD OPHTHALMOLOGY 小児近視治療

Child Ophthalmology小児近視治療について

~こども達の目を守る~

「小児眼科は早期発見、早期治療が大切です」
伊藤医院では、お子さまの視力を守るために小児の眼科検査・治療に取り組んでいます。視力の成長をさまたげないためには、いかに早く発見するかがとても大事です。
市町村でも3歳時健診などの取り組みがありますが、より早い時期から可能な検査もありますので、まずは気になったことがあれば受診をおすすめします。
当院では1歳未満のまだ視力検査ができないお子さまでも屈折検査が可能です。

乳幼児連れの患者さんへ
こども達の目を守る

小児の検査受診についてのお願い

小児の検査は、より正確なデータを取ることが重要となりますが、小さなお子さまは大人と違い、検査中の集中力が途切れてしまうことが多々ございます。
その場合、お子さまの様子に合わせて進めていくため想定以上の時間が必要となり、次の方の受診予定時刻に順次遅れが生じることがございます。
また、お子さまの将来に関わる事象も多く、診察時の医師からの説明に多く時間を頂く場合もございます。なるべく時間に合わせたご案内ができるよう努めておりますが、当院としては時間を要しても、お一人ずつ最後までしっかりとした検査・診療を行って参りますので、皆さまのご理解とご協力を頂けますようお願い申し上げます。

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「本当にみえているかな?3歳児の眼科検診
のススメ」

  • 近視抑制治療
    (自費)
  • 近視矯正治療オルソケラトロジー
    (自費)

小児の近視

別名「近眼」(英語名:Myopia)は小児期の5歳頃~15歳くらいで診断されます。
親御さんのどちらかが近視の場合、そうでないお子さまの27倍近視になりやすいことがわかっています。

近視になると、視力が低下し眼鏡が必要になります。
一度進んだら元に戻ることはありません。
放置して強度近視になると、将来的に網膜剥離、網脈絡膜委縮、黄斑変性、緑内障などの失明につながる病気になりやすくなってしまいます。 学童時期に眼軸長の伸びを抑制することが、近視進行の抑制にとても重要になります。

主に眼球が楕円形に伸びてしまい、ピント位置がずれることで生じるケースが多くあります。

次のような様子があれば一度眼科を受診しましょう。

  • 恒常的な斜視の状態
  • 遠くの物の存在に気づかない傾向がある
  • テレビに顔を近づけて見る
  • 過度のまばたき
  • 本を抱きかかえるように近づけて読む
  • 目を細めて見ている

近視抑制治療(自費)について

近視抑制治療には2種類ございます。

低濃度アトロピン(マイオピン)治療
レッドライト治療

【低濃度アトロピン(マイオピン)治療】

低濃度アトロピン治療は、発育期(6~12歳)のお子さまの近視進行を抑制する目的で、点眼薬「低濃度アトロピン(マイオピン)」を1日1回点眼する治療法です。
2年間に亘る治療において近視の進行を50~60%遅らせることが証明されています。

近視抑制治療
Singapore National Eye Centre
(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発された、低濃度アトロピン(0.01%配合、0.025%配合)点眼薬

マイオピン治療の対象

  • 6歳~12歳の学童の方
  • 軽度または中等度の近視の方

マイオピン治療の費用

  • 初回検査 2,200円
  • 定期検査 1,650円/回(3ヶ月毎)
  • マイオピン0.01% 1本3,500円
  • マイオピン0.025% 1本3,800円
  • この治療に使用する低濃度アトロピン(マイオピン)は、日本未認証医薬品のため自費診療となります。
  • 保険診療・子供医療費補助制度は適応外です。

点眼薬「低濃度アトロピン(マイオピン)」は、2年間使用を継続することをおすすめいたします。

マイオピン治療の副作用

  • 点眼後7~8時間ぐらいまぶしさを感じたり、ぼやけたりすることがあります。就寝前に点眼していただければ、この副作用が翌日の生活に影響することはありません。
  • 稀ではありますが、結膜アレルギーを起こすことがあります。副作用は仮に発生しても非常に軽いものとなります。

【レッドライト治療】

650nmという波長の赤色可視光線(目に見える赤い光:レッドライト)を発するデバイスを毎日覗き込むことで、近視の進行を抑えるまったく苦痛を伴わない治療法です。

レッドライトは眼軸の伸びを抑制する効果を持つことが2014年に偶発的に発見され、2021年には近視進行の抑制に極めて効果が高いと米国眼科学会誌で発表されたことにより、今世界的に注目を集めている治療法です。

1年間正しく使用し続けた場合、近視進行を抑える効果が無治療と比べて90%近くあったという結果も報告されています。健康保険は適応できず、自由診療となります。

使用するデバイス・使用方法

デバイスをのぞき込むようにして
1回3分、1日2回、週に5日、レッドライトを見るだけです。

  • 治療間隔は4時間以上空けてください
  • 低濃度アトロピンとの併用はできません
近視抑制治療
<近視治療用機器Eyerising(アイライジング)>
30カ国以上で安全な医療機器として認可され、全世界で15万人以上の小児に使用されています

レッドライト治療の対象と禁忌

適応条件

  • 年齢:3歳~16歳
  • 対象:軽度近視〜強度近視

禁忌

  • 斜視による両眼視機能異常がある場合
  • どちらかの眼に屈折以外の眼球異常ー未熟児網膜症、網膜剥離、網膜芽細胞腫などの網膜疾患、あるいは視機能に影響する全身疾患がある場合
  • 黄斑ジストロフィー、先天性停止性夜盲、あるいは網膜色素変性などの遺伝性網脈絡疾患がある場合
  • 瞳孔散大(散瞳)のある小児、またはアトロピン、シクロペントレート、トロピカミドなど、瞳孔散大を引き起こす可能性のある薬剤を投与した後の使用は医師の確認が必要
  • 低濃度アトロピン点眼との併用はできません(最低2週間の休薬が必要となります)
副作用

治療直後に一時的なまぶしさ、閃光盲、残像が生じることがあります。

  • それらの症状が5分を超えて続くことが3回以上あった場合は、本デバイスの使用を中止し医師に相談してください。
  • また上記以外でも、治療中に光過敏症、眼刺激、眼熱傷などの不快感が生じた場合は、本デバイスの使用を中止し医師に相談してください。

レッドライト治療の費用(税込み)

当院へ支払う費用(検査費・治療費)+メーカーへ直接支払う費用(サブスクリプション)がかかります。

当院へ支払う費用(検査・治療費)

初年度
適応検査 ¥11,000 視力・スリット検査・眼軸長・OCT・眼底検査等の費用
治療・検査費 ¥165,000 デバイス貸与+1・3・6・9・12か月後の計5回分の検査費
2年目以降
検査費 ¥11,000 1来院毎の検査費(6か月毎の定期検査を推奨)
視力・屈折検査・スリット検査・眼軸長・OCT・眼底検査
  • スリット検査:角膜や結膜、水晶体、虹彩など前眼部といわれる部分を観察する検査
  • OCT:光の干渉性を利用して目の奥の網膜や血管かどの微細構造を画像化する検査

メーカーへ直接支払う費用(サブスクリプション)

毎月払い ¥8,250
1年分一括払い(10%OFF) ¥89,100
2年分一括払い(20%OFF) ¥158,400

ご家族で本デバイスを共有する場合

デバイス1台につき、5名までは共有可能です。利用者ごとにサブスクリプション登録が必要になります。二人目以降の初年度の治療・検査費は¥92,000。

受診医療機関を変更される場合

  • 転居などで受診する医療機関を当院から変更される場合はデバイスを返却していただく必要がありますので、必ず当院までお申し出ください。その後、次の医療機関が設定する費用のもとで新たにデバイスの貸与を受ける必要があります。ご了承ください。
  • サブスクリプション期間が有効の場合は、メーカーへ依頼し新しいデバイスに引継ぐことが可能です。

治療を中断する場合

  • 医師の判断で治療の中断が必要となった場合、速やかに治療を中止してください。その場合、治療開始後6か月以内であれば、治療費・検査費を最大50%返金いたします。
  • 使用者側の都合により治療を中断する場合、治療機器は当院にご返却ください。未承認医療機器のため、第三者への譲渡、貸与、転売は法的に禁止されております。
  • 治療開始後1か月以内で一定の条件を満たす場合、初年度の治療費・検査費を最大50%返金しますが、それ以降の返金はできませんのでご留意ください。またメーカーへ支払うサブスクリプション料金は別途解約手続きが必要です。

オルソケラトロジー治療について(自費診療)

オルソケラトロジーとは、裸眼視力を改善させることを目的にした新しい近視の矯正治療方法です。特殊なコンタクトレンズを用いて視力を改善させます。

画期的な最新の近視矯正法としてだけでなく、成長期の近視の進行を抑制できることが期待されており、現在世界的に注目を浴びています。

オルソケラトロジーの特徴

  • 寝ている間に視力回復!
    日中は裸眼で過ごせる

    寝ている間だけレンズを装用し角膜を形状を正常な状態にします。起床時にレンズを外します。

  • 目のストレスから解放

    メガネを気にしたくない方、日中のパソコン作業でコンタクトレンズがつらい方など、メガネや通常のコンタクトレンズ装着による不快感から解放されたい方にお勧めです。

  • 裸眼でスポーツができる

    水泳や激しいスポーツを裸眼で楽しみたい方にお勧めです。

  • 幅広い年代に対応

    成長期の近視の進行を抑制できることが期待されており、世界的に注目を浴びている治療法です。レーシックなど手術の適応がない18歳未満の方でも治療を受けることができます。

  • 近視進行の抑制が期待できる

    近年オルソケラトロジーが若者の近視の進行を抑えるとして期待されています。

  • 手術はしません

    レーシックなどの外科的手術は行わずに裸眼視力を回復。使用を中止すれば元の角膜に戻ります。

  • 副作用の心配がない

    ハードコンタクトレンズを使用した際に起こる副作用と同等レベルです。トラブルを未然に防ぐために、定期検診を受けましょう。

オルソケラトロジー 1日の流れ

就寝前にレンズを装着し、起床後にレンズを取り外します。日中は裸眼で過ごせます。

  • 就寝前

    寝る前にレンズを装着します。

    夜:就寝前
    夜:就寝前の眼球の状態
    眼球の状態
  • 就寝中

    レンズをつけたまま寝ます。

    夜:就寝中

    レンズで眼球(角膜)圧迫して角膜を正常な屈折状態にします。

    夜:就寝中の眼球の状態
    眼球の状態
  • 起床後

    起床後、レンズを外します。

    夜:起床後

    日中裸眼で過ごせます。

    夜:起床後の眼球の状態
    眼球の状態

治療スケジュール

事前検査・診察とカウンセリング

  1. 眼検査

    眼検査を行い、オルソケラトロジーが可能か判定します。検査結果によっては、通常のコンタクトレンズやメガネなど、患者さんにあった最善の方法をアドバイスします。
    事前検査・診察とカウンセリング
  2. テストレンズ装用

    検査結果に基づき、実際に「テストレンズ」を装用します。
    (テストレンズの装用時間は60分ほどです)
    テストレンズ装用
  3. 治療方針の決定

    テスト後の状態を検査します。近視・乱視の改善、角膜形状の変化に乏しい場合は、この治療ができない場合もあります。

治療開始

  1. レンズ処方・レンズ装用・取り扱い指導

    処方レンズ到着後、再度ご都合のよろしい日にご来院いただきます。取り扱い説明と装用練習を行い、治療を開始します。
  2. 治療開始

    レンズを装着し、その日の夜から治療開始となります。
    治療開始

定期健診

翌日、1週間、2週間、1ヶ月後、3ヶ月後、以降3ヶ月毎に定期健診を受けていただきます。
定期健診
注意事項
  • 現在コンタクトレンズを使用している場合、ソフト・ハードとも1週間装用しない状態で受診してください。(装用していない期間が短いと、角膜の形が変形しているため、正確なレンズ選択ができません)
  • 当院では乱視用レンズの取り扱いはございません
  • 本格的な治療開始前にオルソケラトロジーを試してみたい方にトライアルレンズ(1週間レンタル)を行うことができます。
  • 適応があると判断された方のみに限ります。
  • トライアルレンズは、ご利用後に返却していただきます。
  • 近視度数―4.0以上の方は適応外となります。
  • トライアルレンズをご希望の場合は、レンズの保証金を承ります。

費用について

保険適用外のため、検査・治療費は自費となります。

適応検査+装用テスト
(トライアルレンズ1時間テスト)
5,500円
(税込)
  • 適応外の際は、装用テストは行いません。
専用レンズ
(マイエメラルド)
片眼:  79,000円
(税込)
両眼:158,000円
(税込)
  • レンズ費用+初回ケア用品+6ヶ月までの定期健診代を含む
1週間トライアル
(貸出)保証金
50,000円(税込)
  • 治療を契約される方は、保証金全額をレンズ費用に充当します。
  • 治療されない場合は、初期費用として保証金より20,000円をいただきます。(30,000円を返金いたします)
レンズの交換
(レンズの再作成)
1枚あたり:46,000円
(税込)
  • オルソケラトロジーレンズの寿命は約2年です。安全性維持のため定期交換が必要です。
  • 交換(破損も含む)の場合も同様の費用がかかります。今までご使用のレンズは回収いたします。
定期健診 治療後6ヶ月まで無料
以降は2,200円/回
(税込)
  • レンズケア用品は、オルソケラトロジー専用品になります。
  • 健診費には含まれませんので、別途ご購入いただきます。
医療費控除が受けられます

医療費控除の対象になりますので、10万円超した費用は補助が得られます。
詳しくは国税庁の「オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除」にてご確認ください。

オルソケラトロジー(角膜矯正療法)による近視治療に係る費用の医療費控除 

よくあるご質問

すぐに視力は回復しますか?

若年層の方で、比較的近視が軽ければ、1時間のレンズ装用で、1.0以上に矯正できることもあります。年齢や近視の度合い等個人差にもよりますが、適応範囲の方では、ほとんどの方が1週間前後で十分な視力を得られます。

レンズの扱いは難しくないですか?

多少注意を要しますが、基本的な扱いは通常のハードコンタクトレンズと変わりません。

レンズの装用は痛くないですか?

通常のコンタクトレンズ同様、レンズに慣れるまでは装用感が気になることがあります。
痛みや違和感が続く場合は、ご相談ください。

オルソケラトロジー治療はどんな人に向いていますか?

以下の方に適しています。

  • スポーツをされている方
  • コンタクトレンズやメガネの装用が煩わしい方
  • 職業上、または資格取得のために裸眼視力が必要な方

オルソケラトロジーの治療に向かない人はどんな人ですか?

強度の近視・乱視の方や、他の眼疾患のある方には適応できない場合がございます。
いずれも適応検査の結果をもとに担当医師が判断いたします。

小中学生でも治療できますか?

オルソケラトロジー治療では、取り外し・消毒などのケアが重要となります。
当院ではそれらが一人で十分にできる高学年からのご案内とさせて頂いております。

小児の近視抑制治療(自費診療)はこちら

VOICE患者さんの声を
聞かせてください

当院受診に関してのご意見などがございましたら、専用サイトより皆様のお声をお聞かせください。
お褒めの声はスタッフの活力として、ご不満の声は今後取り組むべき改善策のきっかけとして活用させて頂きます。